* 君の息吹 *


 君の髪に触れて

 君の頬に触れて

 君の唇に触れて

 君の息吹を全身に感じたい



 ステラを仰向けにして、その上に覆いかぶさるように上体を置いた。
 突然の出来事に少女は小さな悲鳴を上げたが、それ以上の抵抗はしなかった。
 僕はそれをいいことに、ステラの髪に頬に唇に、指をゆっくりと滑らせる。

 ステラの艶やかな髪に触れると、淡い芳香が鼻をくすぐった。
 ステラの赤みがかった頬に触れると、そこに新たな体温が生まれた。
 ステラの小さくふんわりとした唇に触れると、そこから僕の名を呼ぶ声が漏れた。


 君という存在を鼻で感じ、肌で感じ、耳で感じる。

 生きてるって、そういうことだと僕は思う。

 目の前の少女が無性に愛しくて、背中が一瞬ぞくりと震えた。快感が脳内を刺激する。


「ねぇ、僕のことも感じてよ」


 そう呟いて、金色の髪に顔を埋めると、心地よい芳香が僕を包んだ。
 指と同じように、今度は顔を滑らせる。ゆっくりと、慈しむように。
 頬に到達したとき、ぺろりとそこを舐めてみた。不意打ちを食らって、ステラはびくりと身体を強張らせる。
 そんな彼女の反応が可愛くて、そして同時に嬉しかった。無意識に笑みが零れた。


 もっと、もっと感じてほしい。
 僕という存在を、全身で受け止めてほしい。


 祈るように瞳を閉じて、そっとステラにキスをした。
 浅く。そして深く。
 舌を入れ、彼女のそれを求めた。


 戸惑いながらも懸命に応えてくれる彼女に、時々漏れる甘い吐息に、僕の心が、身体が、上気する。

 大好きな君と身体を重ねて、心も重ねられたら、とても素敵なことじゃない?

 ステラの声に、身体に、酔いしれながら、僕は彼女の中に溺れていく……



 君の髪に触れて

 君の頬に触れて

 君の唇に触れて

 そうやって君の息吹を感じることで、僕自身の生を確かめる





 1800番を踏んでくださった、皐月さんのリクで『触れる』をテーマにした少しシリアス風味のアウステだったはずなんですが・・・妙にエロくてすみません(汗)
 一応触れまくってはいますが、シリアスなのかが不安なところです…(笑)
 ただ、今までに書いたことがないくらい甘くなってしまったことは確かです。自分の脳内に危機を感じる今日この頃(笑)

 皐月さま、宜しかったらこのヘボ小説受け取ってやってください〜。押し付けですみません(>_<)
 最後にリクエストして頂き、ありがとうございましたv

 2005.5.4.up