*瞳*


ねぇ、あなたはいつも遠くばかり見ている。

高い空をひとり見上げて、一体なにを考えているの?

一体なにが、あなたの瞳に写っているの?

ねぇ、一体どうすれば、私はあなたの瞳に写れるの?





今日も私は、いつもの時間にいつもの場所へ行く。

この時間にそこへ行けば、必ずあなたに会えるから。

何もない草原に、あなたは何故かひとりで立っている。

あなたはもしかすると、ひとりになりたいのかもしれない。

戦争の虚しさを忘れるため? 鼻につく血の匂いを忘れるため?

だからこそ、あんな寂しい場所を選んでいるのかもしれない。

でも私は、そんなあなたの邪魔をしに行く。

ふたりきりで会えば、あなたも少しは私のことを覚えてくれるでしょ?

あなたに少しでも、私のことを覚えて欲しいの。



「今日もここにいるのね、シゲン」

「ああ、クリシーヌか…」

無表情なあなたの顔が振り返る。

その瞳にはきっと、私なんか写っていない。

「何してるのよ? 空なんか眺めてて楽しい?」

「いや、楽しくはねえな」

別になにを話すわけでもなく、ただふたりでいれるだけで嬉しかった。

この瞬間だけは、あなたの特別な人になったような錯覚に陥れるから。

冷たい風が空を舞っていく。

そして時間だけが過ぎていく。

気持ちの整理は全然出来ないのに、時間だけが流れていく…。

「なぁ、クリシーヌ」

あなたが突然こっちをみた。

あなたの方から話し掛けてくれるなんて、こんなのは初めてだった。

自然と鼓動が早くなる。

「お前って意外と優しいんだな」

「え?」

予想外の言葉に、思わず動揺する。

「俺がひとりでいるからって、毎日なぐさめに来てんだろ? そうでもなけりゃ、こんな所までわざわざ来ねえよな」

「ち、違うわよ! えっと…そう、この辺はいい訓練場所なのよ!! あの、だから…そのついでに決まってるじゃない!」

自分でも何を言ってるのか分からない。

あなたの言葉ひとつで気が動転して、柄にもなく顔が真っ赤になって…。

「ふっ…まぁいいぜ、ついででも」

笑った。 あなたが初めて私に笑いかけてくれた。

今までの自分の行動が、無駄じゃなかったって実感できた。

「これからも気が向いたら来てくれよ。 ひとりでいるよりは、お前と一緒の方が全然いいからな」

「え……う、うん」

今この瞬間は間違いなく、あなたの瞳に私が写っている…。




                                     END



うわ、クッサ――!! 乙女度MAX、メーター振り切ってます。
ああ…なんだか、久々にほのぼのした話を書いた気がします。
そしてその結果がコレです……。
本当に謎な話ですね!!(開き直り) 修行し直した方がいいと思います!!
ただとにかく、沙璃にシゲンとクリシーヌの話って注文されたものですから。
あまり深い意味は考えずに読んでください!!
                                            瑠樹奈

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いやいやいやいや、私は好きだよ〜、こーゆーお話vv ほのぼの〜vv
スマンねぇ、書いてもらちゃって…(汗) こっち方面は、本職じゃないのにさ(苦笑)
でも、ありがとうよ〜!!(感激) 愛してるわ〜vv(キモっ!)
シゲン、やっぱカッコいいねぇv 惚れ直しましたvv
照れたクリも可愛いですv
瑠樹奈、本当にありがとうねvv(感謝)

最後にシゲン×クリはマイナーCPだけど、好きだ〜!!(熱弁) …同志の方、切実に求ム。

                                            沙璃