*小ネタ*


芹「最近は忙しそうですね」
小「え、そうかな」
芹「毎日多くの方から演奏などに誘われて、引っ張りだこのようですが」
小「あ、うん、皆さん親切で色々なことを教えてくれるんです」
芹(……親切、か)
小「昨日はね、八木沢さんが和菓子の作り方を教えてくれたの」
芹「至誠館の部長が、ですか?」
小「うん、一緒に水饅頭を作ったんだ」
芹「……それは、知りませんでした」
小「本当はみんなにも振舞うつもりだったんだけど、様子を見に来た新くんと火積くんが結局全部食べてくれて」
芹(……俺も食べたかった)
小「あ、でも後でそれを話したら響也がすごく拗ねちゃって。だからまた挑戦するつもりです」
芹「そのときはぜひ俺にも知らせてください」
小「うん、もちろん」
芹「楽しみにしています」
小「そうだ! 明日は七海くんに点心作りを習う予定だから、それも作ったら知らせるね」
芹「ありがとうございます」(七海って確か天音学園の…?)
小「〜♪」
芹(ライバルは一体何人いるんだ……)

 * * *

小「ふふ、これからの練習も楽しみだなぁ」
芹「部長たちとの練習ですよね?」
小「うん、東金さんと土岐さんの演奏って華やかで聴いているだけで心に響いて。私、初めて聴いたときなんて涙が出ちゃったんです」
芹「ああ、確か野外ライブのときにいらっしゃってましたね」
小「覚えててくれたんだ?」
芹「ええ」(それはもちろん)
小「一ヶ月前のことなのに、なんだかずっと昔のことみたい」
芹「確かに。でも、この短期間であなたは本当に見違えましたよ」
小「……芹沢くんも地味子って思ってたんだ?」
芹「い、いや、そうではなくて」(あれは部長が口癖のように言うからうつっただけだ!…多分)
小「ふふ、別に怒ってないですよ。そのお陰で、私頑張れましたし」
芹「小日向さん…」
小「ねぇ、東金さんたちが戻ってきたら、芹沢くんも一緒に合わせようよ?」
芹「え、お、俺もですか?」
小「うん、ダメかな?」
芹「い、いや、どうでしょう」(俺の都合と言うより)
小「あ、ごめんなさい。まだお仕事があったよね」
芹「いや、そうではなく」(……部長たちが絶対許さないだろうな)

 * * *

芹「小日向さん、警戒心も持ってくださいね」
小「え?」
芹「皆さん、ただの親切な人たちではないかもしれませんよ」
小「うーん、確かに。親切っていうのとはちょっと違うかも」
芹(……ん、実は気づいているのか?)
小「なんだかみんな本当のお兄ちゃんって感じです」
芹「…………」
小「ハルくんはたまにお母さんみたいだけど」
芹「…………」(どちらにしても、彼はあなたより年下でしょうに)
小「あれ、どうしたの?」
芹「……いえ、とりあえず目標が決まりました」(まずは異性として意識されること)
小「?」
芹「でも、俺が今から頑張っても追いつけそうですね」
小「??」





 最初に書こうとしたときは、3つ目のネタがオチになる予定でした。
 でも、ラウンジにピアノが置いてあることを思い出して、話を変更したんです。こっちは全体的にギャグちっくですね(笑)



 2010.3.21.up